gallery-neo.tokyo | 「縺れた顔、折り畳んだ肉」宮澤男爵 & 後藤宙
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Danshaku Miyazawa, ori no.229, watercolor on Japanese paper, 52 x 35 cm, 2015
「縺れた顔、折り畳んだ肉」
宮澤男爵 & 後藤宙

(in collaboration with Tokyo Gallery + BTAP)
2015年10月16日(金)~ 18日(日
オープニングレセプション:2015年10月16日(金)、17:00 – 19:00

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子供の指が作り出すプラスチックでできた人間の姿、海岸の砂で塑像された人体、裏庭で溶けはじめた雪だるま…このような「磁石の瞬間」とは作品媒体が肉体的次元、すなわち人間の有機物や臓器と関係を保ちながら、物理的な実践から人間身体の表現が生まれる瞬間です。その瞬間は、あまり「崇高的」でも「抽象的」でも「全体的」でもありません。その時とはことさら我々の肉体に近しく(その下で)起こり、身体の形と物質は美術的な表現へと広がっていきますが、しかし同時に生きた肉の「無形」とあたかも「腸のような」繋がりを保っています。これは、美術における視覚的かつ触覚的な接続です。
そこで今回Frantic Galleryはこのテーマを取り上げるにあたり、東京画廊+BTAPとコラボレーションして宮澤男爵と後藤宙による「縺れた顔、折り畳んだ肉」を発表いたします。気鋭の作家2名が発表するのは、物質の中で手仕事を通じて生み出されたイメージであり、例えば「カラフルな泡」や「ナイロンの糸」と意味作用において癒着した「輪郭線」が見出される作品であり、「顔のパーツ」が「へその緒」や「金属製の糸」と繋げられ、折り畳まれた紙が「皮膚」の拡張を示し、刈り込むこと、切り取ることが等しく人体の創造へと通じる作品です。
Kanata Goto, Move, metal, nylon and cotton threads on lather, wood, 38.5×73.5×1cm, 2015
Danshaku Miyazawa, ori no.151, watercolor on Japanese paper, 23.2x17.5cm, 2015
 
宮澤男爵は人物の身体とその形状を薄くてもろい半透明な和紙に投影させます。和紙は非常にデリケートな素材であり、ともすると作家自身の皮膚と隠れた類似性をもっているといえるでしょう。しばしば宮澤は、ぼんやりとした輪郭をもった顔や身体を描く前にまず和紙を折り、不安定で、常に他の層へと滑り込み、和紙に消失するかのような形象を描きます。そして再びイメージをシャッフルして形象を開き、複数化させていくのです。彼はドローイング部分をわずかに切り取り、紙縒りにして紙の索で和紙と表象の異なる層を繋げ合わせます。その時、この紙縒りは単にイメージの背景にある媒体ではなく、身体が引き伸ばされた「紙 — 空間」を視覚的かつ触覚的な「髪」、「神経」、「背骨」、「臍帯」で結びつけるものとなります。この、ある意味「フランケンシュタイン」のような創造行為がもたらすのは、植え付けられた物質と切り離すことのできない身体の形象とイメージであり、最終的に作品全体は「帯」と鮮やかな「分泌」を通じて作家自身の肉へと向かっていくのです。|作家詳細: 宮澤男爵
Kanata Goto, re, metal, nylon threads on lather, wood, H31×W47×D1.5cm, 2015
 
後藤宙は牛あるいは羊の皮膚を探し出し、その動物の皮膚に合わせて木のパネルをカットして木材の表面に張り合わせていきます。そのため、作品の形態は作家ではなく有機的な形態によってすでに決められています。続いて、布の糸をホッチキスで皮膚に接着させます。引き伸ばされ、折り畳まれた糸の模様は、もとの有機的な形態に基づいて配置される一方で、平行や直角を辿り、自然現象から外れた法則や形態と結びついて厳格な幾何学法に準じることになります。後藤のイメージは作家の身体が介することによって素材本体に基づいて作られますが、そのイメージ/身体は文化的な法で貫かれているのです。彼の作品は有機的なものと概念的なもの、自然と文化を合成したミュータントであり、人間の身体と文化的形態を照らし出します。 |作家詳細:後藤宙
Danshaku Miyazawa, ori no.151, watercolor on Japanese paper, 23.2x17.5cm, 2015
Kanata Goto, JB , metal, nylon threads on lather, wood, H29×W24×D1cm, 2015
Danshaku Miyazawa, ori no.218, watercolor on Japanese paper, 59 x 40 cm, 2015
Kanata Goto, Long Time No See, nylon/cotton threads on lather, wood, 52×41×1cm, 2015
Frantic Gallery
Ikejiri Institute of Design 309,
2-4-5 Ikejiri, Setagaya,
Tokyo, Japan 154-0001


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