第二講義
「小山さん、科学の本のどこに下線を引くの?」
小山篤
9月1日(日)、13:00 – 15:00(日本語のみ)
Commune 2nd
Midori-so ギャラリースペース
小山さん、なんと魅力的なスタディオですね。電気ボード、カンヴァス、コード、絵の具...壁は全部スケッチとイメージで覆われている。ここには何があるのか?ダ・ヴィンチによる胎児のドローイング、昆虫のクローズアップ、エロティックな写真、燃焼機関の図面、人間解剖学アトラスの切り抜き、装飾的なパターン。素晴らしい。そして、もちろん本棚もあるはずだ。ちょっと、見ていいですか?P.J.デービスとR.ヘルシュの『数学的経験』
(初出版1981年):「数学者の心理学;実際の真実に対して証明はどの意味を持つのか;数字的神秘主義、密閉幾何学、占星術と宗教の数学」。小山さん、こんな本を読んでるの?本当に?更に、湯浅康雄の『身体の宇宙性―東洋と西洋』(岩波人文書,
1982年):「文明の歴史的多様性を超えて存在する思考に、身体におけるミクロコスモスとマクロコスモスとの対応という観点から挑み、宇宙における人間の位置を探る。なるほど。そしてこれは?マリオ・レヴィオの『神は数学者か?』(Simon and Schuster、
2009年):「数学は発明された、または発見されたのか?アインシュタイン曰く数学は「経験と自律した、人間の考えの所産である」であるなら、なぜ数学は我々を取り巻く世界をこんなにも記述でき、予測できるのか」。そして、もう一冊。ピョートル・ウスペンスキーの『人間に可能な進化の心理学』(初出版1945年):「ウスペンスキーは人間を機械として見、人間を「なることができる」という観点から研究することを提唱している」。Ok、小山さん、あなたはこのスタディオの中で実際何をやっているのでしょうか?美術と数学を通して、ミクロとマクロコスモスの中に...つまり、お聞きしたいことは、何を探しているのでしょうか?
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