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NTOGNによる〈音の糸〉
「糸の導くほうへ」展
長田堅二郎~寄田茜~後藤宙

2015年10月30日(金)~ 11月1日(日)| Frantic Gallery、東京

オンラインカタログ

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作家詳細: 長田堅二郎 | 寄田茜 | 後藤宙 | NTOGN
Ntognによる三つの“Sonic-Threads”をFrantic Gallery Soundcloud Channelで聞けます。

「THREADS」
(フールアルバム)
“Where Threads Lead” Kenjiro Nagata~Akane Yorita~Kanata Goto ~feat. “Sonic Threads” by Ntogn~
“Where Threads Lead” Exhibition Video
with works by Kenjiro Nagata~Akane Yorita~Kanata Goto
~feat. “Sonic Threads” by Ntogn~
Film by Gly Nakamura

 
テクノをフィールドとするミュージシャンを招いて音楽的な次元の「糸」の作成を依頼することで生まれる意味とは、なによりもまずオーディエンスに対してあらゆる音楽の中でテクノこそが継続性と、反復/連続/連鎖に基づいており、「今」よりも「前後」(来る/戻る/成り立つものと、消える/覆われる/変更されるもの間の緊張感)がリスナーとアーティストの対話を決定付けるのだと喚起させることです。両者の間で展開される聴覚的な構造は抽象的で透き通っています。そう、糸で作られるインスタレーションのように。そこにはメッセージも、叙情も、「雰囲気」さえもなく、しかし欲望を孕んだ構造があるのです。たとえば何かを予見するリスナーがいる一方で、DJは無限の意外性、置き換え、遅れとの終わりのないゲームを繰り広げている、というように。この仕組みにおいて、テクノトラック(Techno Track)は糸(Thread)で構成された視覚美術と類似しているのです。
スウェーデン出身のDJ、プロデューサーであるNTOGNが作り出す音楽と「糸の導くほうへ」の作家たちの間にはさら強力な関係性があります。「audio-derivations」を制作し、いわゆる「マシーン・ミュージック」の領域で活動するなかで、NTOGNは軸を破壊し、脱中心的な構造を探求しています。糸の作品に似て、彼のビートは光と闇の両方を絡ませながら巨大な空間を巻きこみます。そこでは輪郭線も背景も固定されていません。リスナーが、自分は今底にいる、これが低音の限界だと確信するや否や、NTOGNは予期せぬ方向からより深い音を繰り出して聴く主体を驚嘆させ、彼らの想定する底を蹴散らしてみせるのです。いいかえれば、NTOGNを聴く場合、「9層の波」が行き過ぎようやく空気を吸えるのだろうか、それともまだ予想もつかないところから「9層の波」がやってくるのだろうか…という不安から逃れるのは不可能だということです。
結局、他のどんなDJよりも、NTOGNの音楽が目指す音楽の彼岸は明確です。彼は神秘的であり原始的な——忘れられた、あるはまだ見つけられていない——「バスとビート」の可能性を追求しながら、催眠術をもった蛇のようなテクノの糸の中に神聖な儀式から煙を吐き出し、儀礼的な神秘主義を注入するのです。
NTOGN, work in progress: audio spectrum analyzing the frequencies in real time
Frantic Gallery
Ikejiri Institute of Design 309,
2-4-5 Ikejiri, Setagaya,
Tokyo, Japan 154-0001


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